AI-DLC Workflow V2を動かしてみる:Claude Codeで始めるQuick Start
第1回はV1→V2で「何が変わったのか」を見ました。今回は実際に手を動かして、V2をClaude Codeの環境で動かしてみます。シリーズ第3回。
Series: AI-DLC Workflow V2の解説 (31 articles)
- …
- 3AI-DLC Workflow V2を動かしてみる:Claude Codeで始めるQuick Start This article
AI-DLC Workflow V2.8.0よりインストール方法が変更になりました。
本記事はV2.7.x 以前を対象としています。
V2.8.x以降のインストール方法は以下をご参照ください。
1. はじめに
本記事は AI-DLC Workflow V2シリーズの第3回です。第1回 では AI-DLC Workflow V2(以降V2)の設計思想 — コードベースのワークフロー制御、2つのループ構造、14エージェント体制、5層ルールシステム — を V1 との比較を通じて解説しました。
今回は、V2 を Claude Code 上で実際に動かします。リポジトリの取得からワークフロー初回実行まで、手元の環境で一通り体験するのがゴールです。
本記事は macOS / Linux 環境を前提に進めます。Windows をお使いの場合は、README の Quick Start セクション に Windows 向けの手順がありますので、そちらを参照してください。
2. 前提条件
V2 を Claude Code で動かすために、3つの準備が必要です。
1. bun
V2 のエンジンは TypeScript で書かれており、ランタイムとして bun を使います。
1
curl -fsSL https://bun.sh/install | bashインストール後、
bun --version で確認しましょう。PATH に関する注意点があります。 Claude Code はシェルを非インタラクティブモードで起動します。このとき読み込まれるのは
~/.zshenv(zsh の場合)または ~/.bashrc(bash の場合)であり、~/.zshrc は読み込まれません。bun のインストーラは ~/.zshrc に PATH を書き込むため、ターミナルでは which bun が通っても Claude Code のフック内では見つからない、というケースが起こりえます。その場合は、
~/.zshenv に以下を追記してください。1
2
export BUN_INSTALL="$HOME/.bun"
export PATH="$BUN_INSTALL/bin:$PATH"2. Claude Code
Claude Code をインストールします。
1
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bashHomebrew をお使いであれば
brew install --cask claude-code でも構いません。claude --version でバージョンが表示されれば成功です。3. AWS Bedrock の準備
V2 の Claude Code ハーネスは、モデル呼び出しに Amazon Bedrock を使用します。以下の3点を事前に済ませておく必要があります。
(1)モデルアクセスの有効化
AWS マネジメントコンソールで Amazon Bedrock のページを開き、「Model access」から Anthropic の Claude モデル群へのアクセスをリクエストしてください。V2 が使用するモデルは以下の通りです。
- Claude Fable 5(オプション — 有効にしている場合)
- Claude Opus 4.8(オーケストレーター)
- Claude Sonnet 4.6(サブエージェント)
- Claude Haiku 4.5(バックグラウンド処理)
(2)IAM 権限の付与
Bedrock のモデルを呼び出すために、以下の権限が必要です。IAM ユーザーまたはロールに付与してください。
bedrock:InvokeModelbedrock:InvokeModelWithResponseStreambedrock:ListInferenceProfilesbedrock:GetInferenceProfile
V2 の同梱設定はグローバル推論プロファイル(
global. プレフィックス付きのモデルID)を使用するため、プロファイル関連の2つの権限も必要です。IAM ポリシーの具体例は Getting Started ガイド に記載されています。(3)AWS クレデンシャルの設定
AWS SDK のクレデンシャルチェーン(環境変数、
~/.aws/credentials、IAM ロールなど)のいずれかで認証情報を提供します。aws sts get-caller-identity が成功すれば準備完了です。Bedrock セットアップの詳細は Claude Code on Amazon Bedrock Quick Setup Guide も参考になります。
3. リポジトリの取得
V2 のソースコードを取得します。
1
2
3
git clone https://github.com/awslabs/aidlc-workflows.git
cd aidlc-workflows
git checkout v2以降の
cp コマンドは、このリポジトリのルートで実行します。4. プロジェクトへのインストール
自分のプロジェクトに V2 をインストールしましょう。必要なのは2つのディレクトリのコピーです。
1
2
cp -r dist/claude/.claude/ your-project/.claude/
cp -r dist/claude/aidlc/ your-project/aidlc/your-project は実際のプロジェクトパスに置き換えてください。新しいディレクトリで試す場合は mkdir your-project で作成します。コピーされた2つのディレクトリの役割を確認しておきましょう。
| ディレクトリ | 役割 |
|---|---|
.claude/ | V2 エンジン本体。ツール群(TypeScript CLI)、エージェント定義、フック、スキル、センサーが格納されています |
aidlc/ | ワークフローの作業領域(ワークスペースシェル)。ルール(memory/)、チームナレッジ、ワークフローの状態や成果物がここに蓄積されます |
.claude/ はエンジンのコードなので基本的に触りません。aidlc/ は、ワークフローを実行するたびに状態ファイルや成果物が書き込まれていく場所です。5. セットアップの検証
プロジェクトディレクトリに移動して Claude Code を起動します。
1
2
cd your-project
claudeClaude Code が起動すると、ステータスラインとウェルカムメッセージが表示されます。同梱の設定ファイル(
.claude/settings.json)が CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1 と AWS_REGION=us-east-1 を指定しているため、プロジェクトディレクトリ内で起動すれば自動的に Bedrock が使用されます。Claude Code を初めてインストールした場合はアカウント認証が先に求められますので、画面の指示に従ってください。セッションが開いたら、V2 の自己診断コマンドを実行しましょう。
1
/aidlc --doctorこのコマンドは、以下をチェックして結果を報告してくれます。
- bun が PATH 上にあるか
- エンジンのツール群が正しく配置されているか
- ワークスペースシェル(
aidlc/)が揃っているか - ステージグラフ(33ステージの実行順序定義)が読み込めるか
すべてパスすれば、準備完了です。
6. 初回ワークフローの実行
実際にワークフローを動かしてみましょう。Claude Code のセッション内で以下を入力します。
1
/aidlc タスク管理APIを作るここから何が起こるか、順を追って見ていきます。
ワークフローの自動開始
コマンドを入力すると、エンジンが Initialization フェーズ(ワークスペースのスキャフォールド、既存プロジェクトのスキャン、状態ファイルの作成)を自動で完了し、続いて Ideation フェーズ の最初のステージ Intent Capture に入ります。
Intent Capture ステージ
このステージでは、Product Agent が指名され、あなたの意図を構造化された形に整理します。エージェントはいくつか質問をしてきます。
- このAPIの主な利用者は誰ですか?
- 認証は必要ですか?
- どの程度のスコープを想定していますか?
質問に答えていくと、エージェントがインテント文書(目的、スコープ、成功基準などをまとめたもの)を生成します。
承認ゲート
文書が生成されると、承認ゲートが開きます。ここがV2の特徴的なポイントです。選択肢が表示されます。
- Approve — 内容に問題なければ承認し、次のステージへ進む
- Revise — フィードバックを伝えて修正を依頼する
「Approve」を選ぶと、エンジンが状態ファイルに完了を記録し、次のステージへ自動的に進みます。「Revise」を選べば、フィードバックを反映した再生成が行われ、再度ゲートが開きます。
ここまでで、V2 の基本的な流れ — ステージ開始 → エージェントによる作業 → 承認ゲート → 次のステージ — を体験できました。
7. ここで何が起きているのか
ここで一歩引いて、第1回の記事 で紹介した概念が、いま目の前で何として現れたのかを整理しましょう。
| 第1回で紹介した概念 | 今回の体験で対応するもの |
|---|---|
| コードベースのワークフロー制御 | bun で動く TypeScript ツール群(.claude/tools/)。/aidlc の裏でエンジンがディレクティブを発行し、LLM が実行し、結果を報告する |
| 2つのループ(インナー/アウター) | 承認ゲートがアウターループ。質問への回答生成・成果物作成がインナーループ |
| 14エージェント体制 | Intent Capture では Product Agent が指名された。ステージごとにエンジンが適切なエージェントを選ぶ |
| 各コーディングエージェントへの専用組み込み | dist/claude/ として Claude Code 用に専用ビルドされた形で配布 |
/aidlc --doctor で確認したステージグラフ | 33ステージの実行順序を定義したグラフ。エンジンがこれを読み、次のステージを決定する |
ポイントは、V2 のエンジンがハーネス(実行環境)に依存しない共通コアとして設計されている点です。今回は Claude Code で動かしましたが、同じコアが Kiro CLI、Codex CLI、opencode でも動きます。
dist/claude/ はその Claude Code 向けの薄いシェルにすぎません。ワークフロー全体を通して、LLM は「次に何をすべきか」を一切判断していません。エンジンに問い合わせ、返ってきた1つの指示を実行し、結果を報告する。このサイクルが繰り返されることで、ワークフローが確実に前に進んでいきます。
8. まとめ
本記事では、以下の手順で V2 を Claude Code 上で動かしました。
- 前提条件の準備(bun、Claude Code、AWS Bedrock)
- リポジトリの取得と
dist/claude/からのインストール /aidlc --doctorによるセットアップ検証/aidlc タスク管理APIを作るでワークフローを実行し、Intent Capture ステージと承認ゲートを体験
ワークフローは Intent Capture の先にも続きます。Market Research、Feasibility、Scope Definition… と 33 ステージが連なっています。プロジェクトのスコープに応じてどのステージを実行しどのステージをスキップするかはエンジンが自動で判定します。そのまま
/aidlc に従って進めれば、ワークフロー全体を体験できます。参考資料
Series: AI-DLC Workflow V2の解説 (31 articles)
- …
- 3AI-DLC Workflow V2を動かしてみる:Claude Codeで始めるQuick Start This article
Enjoyed reading this content? Let the author know!
Your likes, comments, shares, and saves help creators reach more builders.
Loading recommendations
Loading article